別記事でも少し書きましたが、最近はやっと運用資産残高が5000万に達しました。
現在は現金比率を徐々に落としながら、運用資産の割り合いを増やしている所です。
この5000万という金額が、どういう価値があるものなのかを
もう少し考えてみたいと思います。
尚、この「5000万」は資産総額ではなく、運用資産残高です。
複利効果を享受できる資産が5000万に達した事による効果を試算します。
◇前提:インデックス投資の長期継続について
資産や利回りがマイナスになる事は普通に起こり得ますが、
インデックス投資を長く続けた場合、利回りはプラスの値に収束します。
15年も続ければ、暴落時期を含めても、開始時期を問わず必ずプラスに収束する、
という調査結果があります(S&P500の場合だった筈)
最小/最大値は、ある程度の幅があったと思いますが、
中央値が5%以上になっていた事は確実で、低い時でも0%より上です。
つまり、個別株では大きく下がって戻らなってしまう(紙屑になってしまう)、
というケースも有り得ますが、インデックスならそんなことには無らない訳で、
むしろ高確率でプラスになる事が見込めます。
この前提を踏まえて、利回りが何%で、どういう効果があるのかを考えてみます。
あまり大きすぎたり、小さすぎたりしても意味が無いので、
3%、5%、7%辺りで試算しました。
◇利回り7%
・最初の1年間で「年間350万」の増加が見込めます。
・複利効果による資産の増加は、10年少々で1億に到達します。
・年間生活費が300万の場合、4300万あれば人生逃げ切れます(税無考慮)
5000万でこの利回りを達成し続けられるなら、既にリタイア完成ですね。
近年のS&P500は、7%以上のリターンを期待出来ていましたが、
今後もこの水準を求められるかは微妙そうですから、7%は高望みかもしれません。
◇利回り5%
・直近1年で「年間250万」の増加が見込めます。
・複利効果による資産の増加は、14年少々で1億に到達します。
・年間生活費が300万の場合、6000万あれば人生逃げ切れます(税無考慮)
→5000万の利回り5%なら、4年後には6000万に到達します。
「5000万の運用資産を4年放置すれば達成出来る」という事です。
尚、個人的にこの利回り5%は、運用利回りとして目指す数値としても、
将来の資産推移を試算する際の掛け目としても、妥当なものだと思っています。
ただ、それは資産形成期の話であって、リタイア後の資産運用時については、
もっと保守的に見るべきで、3%程度で試算する事が良さそうだ、とも思います。
◇利回り3%
・直近1年で「年間150万」の増加が見込めます。
・複利効果による資産の増加は、24年少々で1億に到達します
・年間生活費が300万の場合、1億あれば人生逃げ切れます(税無考慮)
「5000万の資産を築いて24年放置すれば達成出来る」という事になりますが、
24年は・・・ちょっと所ではなく長過ぎですね。
つまり、年間生活費300万で利回り3%という前提では、
5000万という金額は、フルリタイアに向けた資産としては不十分です。
生活費を絞るか、資産をより上積みする必要があります。
ただし、それは資産を極力減らさずに過ごす場合であって、
徐々に資産を取り崩す事を許容するなら、もう少しで達成出来る水準です。
例として、
「5000万を3%で6年少々で運用し、6000万にした時点が50歳とし、
年間生活費300万、年金を月10万を想定するケースなら、
80代までは普通に暮らせる」
と試算出来ます。
徐々に減っていく資産に対するストレスは、相応に大きい様ですから、
その辺りは折り合いをつける必要はあります。
ただ、それを許容できるなら、資産を1億まで増やさずとも、
6000万まで増やしたじてんで50代以降であれば、最早逃げ切れるという話。
◇総括
5000万という金額は、奇跡的に高利回りが続く状況だったり、
生活費をかなり絞って生活出来る人を除いた場合、
それだけで即フルリタイア達成、というには少し足りない額です。
然しながら、複利の力を利用する事で、
勝手にフルリタイア可能な資産に育ってくれる金額にはなり得ます。
生活レベル次第の部分はありますが、生活費を年300万で考えた場合は、
5000万の運用資産を作れた時点で、ゴールの一歩手前に位置しています。
(念の為ですが、統計上の年間生活費平均はもっと少ないです)
5000万を放ったらかしで、リタイア資産に育つと書きましたが、
会社を辞めずに入金を継続するなら、更に早くリタイア資産まで到達出来ます。
ただ、とにかく資産形成を頑張って資産額を増やそうとしてきた場合は、
この5000万の運用資産の内訳が、株式一辺倒になっているケースが多いと思います。
◇提案(ご参考)
リスク資産で積み上げた5000万について、
リタイア可能資産になるまで育つのを待ちつつ、
それ以降の投資先を債券関連に変えていくのはどうでしょうか。
トリニティスタディ(4%ルールのベースとなる研究結果)等において、
株式100%よりも、債券100%よりも、株式と債券が50%ずつよりも、
株式と債券を4:1ぐらいの割り合いで保有するパターンが最も資産が安定する、
という結果になっていたからです。
債券を直接購入しなくても、債券関連の投信も沢山あります。
投信であれば、債券100%以外にも、株式と債券が半々のもの等もあるので、
残りの勤務年数や、保有している運用資産の内訳等を勘案して、
投資対象として調整し易いかもしれません。
但し、あまり早い時期から、安全資産の割り合いを増やしてしまうと、
リタイア資産の達成時期が遅くなってしまいます。
その為、リタイア資産構築の最終フェーズから始める形がいいと思います。
それこそ、纏まった退職金を期待出来る方であれば、
現役時代はリスク資産で積み立てて一気に資産を積み上げていき、
退職金で債券関連の資産を購入する事で、ポートフォリオを完成させる、
という戦略でも良いですね。