資産形成期は、配当などのインカムを貰うよりも、
配当無しで運用されている方が効率的なのは自明です。
然しながら、リタイアが近付いてくると、どうするか迷ってしまいます。
資産形成期では無く、リタイア後の生活にフォーカスして考えてみたいと思います。
◇配当・分配・利金
配当金や分配金等のインカムゲインを得るメリットは、
勝手に利益確定し、自動でお金が振り込まれるという点です。
資産を取り崩さずに、配当だけで生活出来るのは一種の夢です。
但し、これは投信等でも定率・定額で取り崩せば実現出来るものでもあります。
また、インカムゲインの場合は、高利回りを求めてしまう傾向が強い印象です。
高配当株でもピンキリなのでしょうが、暴落の懸念は強くなるでしょう。
特にリタイアをインカムゲインだけで賄おうとする場合、
どうしても限られた資産で、高利回りを求めてしまい、
リスクの高い銘柄等を選択してしまう事になりかねません。
◇(定率)取り崩し
こちらは自動で取り崩し設定をすれば、インカムゲインと同様の生活が可能です。
その手間をどう捉えるかですが、そこには然程違いはありません。
メリットデメリットで言うなら、日本株であれば、大きな差は無い様に思います。
ただ、米国株等になると、少々異なります。
米国株は、配当では課税され、売却時は課税されません(日本はどちらも課税)。
その為、仮に米国株で運用する場合、取り崩しの方法を採用した方が、
税金の分だけ得をする可能性があります。
(分配無しの米国株式関連の投信等も、内部的には配当の分の課税はされています)
また、人気のS&P500等の投信・ETFの場合、NISA口座で売却すれば、
日本・米国どちらも税金が掛かりません。
ただ、投信の運営が配当・分配を受領した際に米国の分は課税されていて、
勝手に再投資してくれているだけなので、配当に対する米国課税は避けられません。
◇所見
NISA口座の場合、「日本の高配当株/ETF」で優良なものを選別出来れば、
その辺りが税制上は有利です。
ただ、米国株等の方が配当は高い印象があるので、10%分の課税を踏まえても、
米国株に託す選択も有りです。
NISA口座以外だと・・・かなり好みが分かれる気がします。
十分なインカムを確保できるなら、高配当の株・ETFをある程度確保して、
投信の取り崩しを限定的(1-2%)に出来れば、かなり運用が安定させられます。
それだけインカムを得ようとすると、数千万は突っ込む必要があります。
何れにしろ、自分の資産の中でNISA口座の資産が「コアな資産」なのか、
「ちょっと税金がお得になる枠に入れる」程度の扱いなのかでも、
判断が変わるかもしれません。