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積立投資(ドルコスト均等法)が推奨される理由と例外

昨今、ドルコスト均等法の積立投資を推奨する話を良く耳にします。

確かに利点の多い手法ですが、どんな時でも最適解という訳ではありません。

その点について、少し整理してみます。

 

◇ドルコスト均等法による積立投資

・時間の分散

  高値で一気に購入する事を防ぎつつ、底値でも拾えるメリットがあります。

  ただし、これは底値で一気に購入せず、高値でも購入してしまうという、

  相応のデメリットも包含します。

 

複利効果の享受

  手元資金が十分に無い場合は、日々の収入から積み立てていく事で、

  複利効果を早期に享受する事が出来ます

 

  ただし、手元資金が十分にある場合はに働きます

  投資出来る資産を据え置き、少しずつ切り崩して投資していく為、

  本来得られる複利効果を極一部しか受けられない制約が発生します。

 

メリットもデメリットもあるのに、一括投資を避ける様に言われる理由、

これは恐らく「一括投資=破産」のイメージが日本人の中で定着しており、

それが一括投資せずに、分散投資するべき、という理論の根本なのではないかと。

 

一括投資=破産のイメージについて

・退職金の一括投資

  日本人にとって、一括投資に悪いイメージが強く根付いている原因は何なのか。

  その失敗するイメージの代表例として、幼い頃から見聞きしてきたのが

   「退職金を運用して失敗する定年退職直後の高齢者」

  だからではないかな、と思います。

 

・退職金投資の危険性

  人生で纏まったお金を得る機会で、最も一般的なものは退職金だと思います。

  纏まった退職金を貰える、人生終盤のタイミングにおいて、

  普段から運用していない投資の世界に唐突に飛び込み、

  配当金を高く設定している銘柄に集中投資する・・・。

  きっと、そんな事例が多かったのではないかと思います。  

  

  人生終盤に高リスクの資産へ集中投資し、暴落に逢ってしまったら・・・・

  一時的な暴落であれば、数年で戻るかもしれません。

  ただ、投資に慣れていなければ、すぐに狼狽売りしてしまうでしょう。

  また、混乱して狼狽売りもしなかった場合でも、悠長に回復を待つ、

  という時間が残されていなければ、どうしようもないです。

 

  今の様な低コストの優良投信も無い頃ですから、高コストのぼったくり投信か、

  個別銘柄に自力で投資するしか選択肢も無い時代だったでしょうしねぇ・・・。

 

◇一括投資のメリット

本来、一括投資は非常に大きなメリットがあります。

買う対象が底値になっているタイミングでは無くても、です。

 

ドルコスト均等法で日々積み立てている方なら、複利効果を狙っている筈です。

この複利効果のメリットを最も効果的に享受するコツは、

 「出来る限り早いタイミングで、投資資産を積み増す事」

という点は、特に反論は無いのではないでしょうか。

 

前述の通り、纏まったお金が手元に無ければ、小金を毎月積立投資していく事が、

複利効果を最大限得られる方法です。

逆に纏まったお金があるならば、早期に一括投資する方が、

複利効果を享受する期間が長くなり、大概のケースでは有利になるです。

(本当に余程の高値掴みで、二度とその値に戻らない様なケースは別ですが。

 S&P500等の様に、何れは上昇していくと多くの人に信じられているものなら、

 早期に一括投資は、多くのケースにおいて、正義です)

 

◇一括(或いは纏まった資金を)投資する前提条件

纏まった資金が手元にある場合、一括投資する条件を少し整理してみたいと思います。

 

・将来的に上昇が見込める資産であること

  例として、全世界株やS&P500のETF/投信ならOKだと思います。

  一時的に下落した際、信じて保有し続けられるものが良いです。

 

・投資対象が一定以上、分散されている事

  個別銘柄なら複数の企業やセクションに分散する必要があります。

  分散投資した結果を纏めているETF/投信なら、そちらの方が楽だと思います。

  (自分でポートフォリオを細かく管理できるなら、個別投資でも良いです)

 

・暴落時に回復を待てる事

  若い頃であれば、価値が上昇していく成長資産への投資を推奨します。

  これは、暴落しても待っていれば何れ回復し、上昇するからです。

 

  場合によっては、回復までに10年以上を要する事もあります。

  なので、高齢に差し掛かってきた状況で暴落すると、

  既に待てる時間が限られてしまっていまうので、

  そこからの一括投資はおススメできません。

 

  ※但し、出口戦略として検討し、成長資産から安全資産に移す場合は例外です。

   配当重視にしたり、最終的に現金にシフトしてしまうのもありだと思います。

   判断能力が落ちてくる年齢だと、金銭管理・売却判断等も難しくなるので、

   判断出来る状況の内に、出口戦略は検討・実践しておくべきでしょう。

 

出来れば、ある程度は若く、「誰でも富裕層になれる!!」といった記事ばかりが

世の中に溢れている状況ではない時に、一括投資したいですね。

 

そう考えると、2022年から状況が悪化している現在は、

投資タイミングとして最悪では無い筈です。

底値のタイミングは正確に見抜けないとしても、今なら一括投資しても、

大きな失敗にはなり難いかもしれませんね・・・・。