以前に「最新の研究結果では3.5%が妥当で、税金考慮で3%程度で見る必要がある」
という事を書きました。
hatarakitakunai1980.hatenablog.com
そもそもこの4%ルールは、
「長期的に見て、S&P500は最低7%での運用益は見込めるから、
インフレ率を3%と見て4%は元本減らさずに使える」
という考え方をベースにしています。
そうすると、仮にS&P500に投資する場合、幾つか前提が変わります。
・米国のインフレ率は関係ないので、日本のインフレ率で見るべき
・円とドルの為替差損の考慮が必要
◇日本のインフレ率
21世紀以降のインフレ率が高かった年は以下、それ以外は1を超えない。
・2014年の2.76%(消費税を上げた事で物価の上がった)
・2008年の1.38%(原油高騰?翌年は同じぐらい下がってる)
これ以外は0前後(マイナス含む)で推移しています。
平均したら全然1にも満たないので、流れが今後変わってくるとしても、
インフレ率は2%の設定でも過剰なんじゃないでしょうか。
◇為替
1ドル50円になる程、円が強い通貨になる事はまず無いでしょうし、
1ドル360円の状態に戻る事も、よほどの事が起きないと無いでしょう。
現実的に80~150円ぐらいでしょうか。
(日本の国力は低下の一途なので、徐々に円安方向にレンジが移っていく筈)
為替ベースで3-4割ほど、資産が増減する可能性があるという感じで。
これの解決策は、ドルベースで取り崩す%を見れば良いだけだと思います。
それで生活費が不足する様なら、働くか節約で凌ぎましょうって感じですね。
上記の結果から、「S&P500に全力投資している」と仮定した場合は、
インフレ率の分だけ差し引くのは多くても2%で済むので、
結局「4%」取り崩す事が可能なのでは?という話になります。
ただし、ドルベースでの話であり、円が1ドル120円の時/80円の時では、
引き出せる金額が日本円ベースでは1.5倍違ってくる、という感じです。
S&P500からドルベースで3%の割合で取り崩す想定だと、日本円として見ると、
為替変動で2%弱~4%強ぐらいの金額(円ベース)になります。
運用資産1億をS&P500で保有していた場合、年間の取り崩し金額が
日本円で200万弱~400万強と相応に幅が出来てしまう感じですね。
持ち家無しだと200万弱では結構な節約生活になるので、もう少し生活費が欲しい。
大きく円高に進んだ年は、取り崩さずに数年やり過ごせる様に別枠の資産が必要です。
(そうなると、どんどんリタイア時の資産が必要になる訳ですが・・・。
臨時で働く、というのも選択肢ですね・・・・)